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「まだ、話は終わってないぞ」
今の客人が帰る前に扉が開いたのでレスターはそう言ったが、相手が甥っ子のファウストだと気付いて立ち上がった。
「時間がかかりそうなら外で順番を待つが?」
ファウストは王様の顔で微笑んだ。
「まさか。私が王を追い出してどうします」
レスターも、叔母ではなくオアシスの代表として受け答えする。
「丁度良かった。彼女を紹介したいと思っていたところでしたから」
見れば、レスターと机を挟んでちんまりとした女の子が立っていた。
「今後、私の下についてもらう事になったグラハム・ナノです」
「初めまして、よろしくお願いいたします」
ティアラと同じ年頃だろうか、緊張しながら丁寧に挨拶をしてくれる。
「こちらこそ、よろしく頼む。レスター代表を支えてやってくれ」
一生懸命な初々しさに王様らしく応えると、ナノは感激したように目をキラキラさせた。
そして、妙な感想を述べる。
「さすがです。やっぱり、レスターさんと血の繋がりがある人は違いますね」
ファウストは王としてどう対応していいのか困った。
あの皇帝神・アスラが相手でも、こんなに対応に戸惑った事はない。
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