Royal Fraternity

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「おい、こら。小娘。それは、俺と比べてどうこう言ってるつもりか?」 間に割って入ってきたのは、人の姿をした狼神だ。 「当たり前じゃないですか。仕事で来たって言ってるのに、大変だなって飴ちゃん渡してくるとかありえないですよ」 「そんなの、お前がそんななりをしているからだろ」 「はあ? ちょっと、レスターさん。性格のいいイケメンが選り取り見取りだったのに、どうしてこんな人を選んだんですか。オアシスの女王が男を見る目がなかっただなんてあんまりです」 レスターは一瞬、相手は人ではないし、失敬なカミのせいで見る目がないと言われたではないかと言い返したかったが、一番に注意すべきころはそこではなかった。 「ナノ、ウェイデルンセン国王の前だぞ」 迫力ある低音に、ピリッとした空気が走る。 「っ、失礼しました」 ナノは顔色を変えて、頭を下げた。 ファウストは黙って謝罪を受け入れたが、レスターの隣でカミはにやにやと笑っている。 が、そこにもすかさず指導が入った。 「カミもだ」 「山守は、王と唯一対等な存在のはずだろう」 「そこじゃない。これからも私の仕事に同行するつもりなら、客人に無礼を働くな」 カミは面白くなさげな顔つきだが、オアシス代表のレスターは容赦ない。 「たとえ、相手が本当に幼い子どもだったとしても、私の客人は丁重に扱え。それができないのなら、今後、一切の同行を断る」 そこには、オアシスの女王と呼ばれる威厳が漂っていた。
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