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晴菜も同じものが見えてるのか聞こうとしたが、先生が来たようで晴菜は自分の席に戻って行った。
しかたない。
多少気味が悪いが、この授業を使って矢印の事を調べてみるか。
そして始まった授業。
テスト勉強もそうだが、やらなきゃいけない勉強と違ってどうして他の事はこんなに集中できるんだろうか。
今までに無い程の速度で矢印についての考察と見解をノート書いていく俺は、1限の授業が終わる頃にはその存在の答えが見え初めていた。
良く見れば、この矢印は人の胸辺りから同じく人の胸辺りに真っ直ぐつながっている。
山なりな物はあるが、横に曲がってはいない。
色は3色。
青と赤と紫。
前二色は単方向で、紫は双方向。
それぞれの矢印には太さがあり、1人から出る矢印は1本~最大3本程度。
出て無い人も居る。
基本的に男性から女性、あるいは逆につながっている。
ちなみに男性が青、女性が赤の矢印を出している。
そして、クラス内で評判のイケメン男子には、多くの赤い矢印が向けられている。
逆に評判の悪い男子には矢印が少ない。
女子のほうも同様。
補足として、矢印は教室の外とかには伸びていない。
恐らく、両端が視界の中にいないと見えないんだろう。
ここまでの纏めを見直し、ここから見える矢印と人の名前をノートに相関図のように書き出した。
その結果、最近聞いた噂も含めることで、これが何の矢印なのかが分かった。
これは、好意の矢印だ。
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