方向模索

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好意と言っても、異性に対する好意。 つまり、「好きな人に向かう矢印」だ…と思う。 最近晴菜が仕入れてきたその手の情報と一致するし、付き合ってるやつらの矢印は紫色になっている。 まぁ、一部付き合ってるのに矢印が別のとこにあったり、同性に向いていたり、先生に向いていたり、先生が生徒に…なんてのもあるが、きっとそういう事なんだろう。 改めてメガネを外すと、そんな矢印は一切見えない。という事は、このメガネに何かしらの力があるようだ。 …もう一度言うが、何事? 「隆久、なんだよそれ」 「え?あ、いや」 授業が終わって先生が退出し、隣の晴菜が俺のノートを覗き込んできた。 思わず隠す。 「なんだよ。なんか相関図みたいの書いてなかったか?」 「えっと…あぁ、先生の勢力関係」 「見せろよ」 「ほら」 言われ、俺は予め書いてあった別ページの相関図を見せる。 これは別の授業の時に書いた。 「…あぁ、確かに!こいつっていつもここにくっついてるよな」 「だろ?逆にこの先生なんかさ」 とりあえず、何も疑われなかった。 そのままの流れで2限目の授業に突入。 改めて相関図を開く。 異性への好意の図ではあるが、人間的な人気にも直結しているな。 そこまでで相関図のノートを閉じ、今行われている授業のノートを開き、ペンを持って人間観察をする事にした。 って…あいつと先生両想いかよ。 もしかしてデキて…? そしてあの女の子、矢印が女の子に。 ショックだ…。 そんな感じに、この時間は人間観察についやしてしまった。 …とりあえず、皆多少壁があるほうが燃えるという事は分かった。
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