方向模索

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そして途中で気付いた事がある。 何より大切な事。 俺への矢印が、無い。 そして、ついでにムカツク事も。 「ルナー。さっきの講義、分かんないとこあるんだけど」 「またか。お前本当に数学苦手だな」 「しょうがないでしょー?分かんないものは分かんないんだよ」 「じゃあルナって呼ぶのやめろ」 隣の晴菜に話しかけてきたのは、晴菜の女友達。 普段から特段仲がいいようには見えなかったが、その女と晴菜が…紫色の矢印でつながってやがった。 つまり、両想い。 これ…教えてやった方がいいのかな。 もし俺の推測が当たってるなら、こいつらは付き合えるかもしれないが。 「あ、分かった!ありがとー」 「はいよ。また分かんなかったら来い」 晴菜の言葉にニコッと笑った彼女。 頬が少し赤く見えたのは、気のせいじゃないんだろうな。 本人達は気付いてないようだが。 「隆久、どうかしたか?そんなにジロジロ見て」 「いや、別に…」 晴菜に気付かれるが、そっぽを向く。 まだ教えてやるもんか。 若干拗ねたまま、3時限目を終える。 景色は相変わらず矢印で埋め尽くされている。 正直黒板も見づらい。 それが終わり、昼休み。 晴菜と一緒に食堂に行って、飯を食べる事にした。 さて…。
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