~第一章~ひとりぼっちの少女

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『ライトも起こしてこよっと…!』 開けっ放しの窓を放置し隣の部屋へ向かった。 ーコンコンコン! ドアをノックして返事を待つ。 ーコンコンコンコン 返事がないのでもう一度。 ードンドンドン!! かなり強く叩いて見た。しかし中からの返事はなかった。 『勝手には行っちゃうかー!』 ライトの部屋の扉をギギッと開くと そこには部屋の隅で怯えて小さくなってるライトがいた。 『ね、ねえさんか…』 ライトは安心したのかベッドの上にひょいっと乗った。 『私以外に誰もいないからねー!変な人も入ってこれないから安心してっライトおはよー!』 声をかけるもライトの目は閉じてしまった。 『寝ちゃった…じゃあこのすきに…さっきバリカンって道具を手に入れたしこれでトリミングだ!!』 ニトロは猫のトリミング本を片手にライトをひょいっと持ち上げると宙に浮かばせた。 『うわあああっおおぉぉおろせ!!』 目をまん丸にしてジタバタと足を動かすものの、無駄な抵抗と言うものであった。 『動けなくさせちゃうねー!』 ニトロは大きな洗濯バサミを手に取りライトの首につけた。するとビックリするくらい動かなくなり… 『ウィーーン!』 バリカンの餌食になったのだった。 『わぁ可愛い!尻尾の先っぽだけ毛を残すのがポイントだよ!鏡見てみる ?』 もこもこ羊の様な姿をしていたライトは 残念な姿をしていた 『姉さん…これ…だいぶ恥ずかしいんだけど…』 ニトロがやったのはライオンカットというもの。 足の先と首から上の毛、そして、尻尾の先の毛を残して後はバリカンで刈られる奴だ。 『ライオンっぽくしたかったから顔の毛を少し伸ばしてあげたよ~ストレート矯正!ー』 そう言いながらニトロは猫用の服を着せて来た。 『わぁこれは貴族だね!かっこいい!これならモテモテだよ~』 陽気なニトロに対してライトはむすっとしているが、モテモテと聞いて少しだけ鏡をじっくり見ているようにみえた。 『友達に笑われそうだぜ』 諦めたライトはまたベッドの上に戻って寝ようとしている。 『ライト!もう朝だよ!』 『はぁー?まだ朝じゃねーか…猫は夜行性なんだぞ』 昼まで寝ていたいライトはこんな言い訳をしていた。 『うーわかったよぉ…また後でくるね』 ニトロ諦め部屋から出て行った。
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