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びくびく過ごしてきた、10年。
私は小学6年でクラスの弥生が死んだ。ううん、殺されたんだ。その恐怖が今もまだ身体を覆って離さない。
弥生とは親友だ。いつもふたり一緒で、他に友達を作ろうとしなかった。どこに行くのも一緒だった。給食も休み時間もトイレに行くのも…。そう、トイレに一緒に行ってればこんなことにはならなかったはずなのに。
4時間目私は給食の時間になるのを時計に念を送っていた。その時、突然弥生が手を挙げた。先生がどうしたのかと尋ねるとトイレに行きたいと言った。私はお腹でも痛いのかなと、弥生のあとを目で追った。
それから心配になり私もトイレへ行きたいと言った。先生は頷いて授業を続けた。私は小走りでトイレへ向かった。そしてトイレを覗き込んだ。
「弥生、大丈夫?」
言えなかった。
ぎゃーーー
本当に恐ろしくて声にはならなかった。
弥生が黒いジャンバーを着た男に、服を引き裂かれていて、首が首が…。
第1発見者と言うことで大人にいろんなことを聞かれた。
私は親友を失ったショックと残酷な犯人に恐怖を感じ、家にひきこもるようになった。
それにしても上手くいったな。私は弥生のことが好きじゃなかった。あいつ、人を見下して自分はちゃっかりクラスのやつらと連絡をとったりしていた。お揃いのやつだって全部あいつの趣味で、くそみたいだった。死んで当然だ。
もうすぐで時効だ。私は恐怖でたまらなかった。まだ、あいつが生きていて私を狙ってるんじゃないかって。
あの事件の日、私はまるで自分が犯人だと言うことを繰り返した。しかし、警察は信じなかった。指紋などから犯人を見つけ出し逮捕したのだ。では、なぜ私は嘘の証言をしたのか。
それは10年たってようやく洗脳が説かれたからだ。犯人はまるで、私を殺人犯にし嘘をついて逃げようとした。そもそも無理のある嘘だと思った。しかし、犯人は付け加えた。
「もし、誰かに話したらお前もこのこと同じ目にあうことになる」
それから、私はびくびくしなが時効が過ぎるのを待っている。犯人が一時的に出所することと、なった。
その日、弥生が服を引き裂かれた時、私に助けを求めなかった。私はじっとそれを見ていた。そして、犯人の手を握りもっていた包丁をすとんっと首に落としたのだ。
どれが本当であっても、もう時効なのだ。
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