殉愛

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引き止めるように、傍の携帯電話が鳴り響いてるけど… 着信はだいたい3件で収まる。 しつこくかけると、私が電源を切ってしまうからだ。 だけど、響のマンション近くのコインパーキングに着いたところで… 新たに、予想通りの人から着信が入る。 「な~にやってんだよっ!オ・マ・エ・わっ」 「… あのさ秀人(ひでと)、私も言いたい事があるんだけど」 「わかった、言い分はた~っぷり聞いてやるから! とりあえず、今どこだ?」 「いつも助けてくれるのはありがたいんだけど。 今まで付きまとって来た男達に、どんな脅しかけて来たの? 私、つつもたせなんて噂が流れてるんだけど」 「つつもたせぇ? 別にそんな脅しかけてねえよっ。 つーか俺の質問はスルーかよ!」 なんてさっきから、いや常にハイテンション気味な年上の友人、秀人は… 彼の親友で。 彼が亡くなってからは、「俺があいつの代わりに守ってやる」と… 自分だって辛かったはずなのに、いつも私を支えてくれてた。
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