殉愛

9/42
前へ
/370ページ
次へ
なるほど… 心当たりがないわけじゃない。 今日は無理か… けど声をかけて来たって事は、このコなら。 「…つつもたせなんかじゃないから。 私は… 永遠の片想いをしてるの。 その淋しさを埋めたいだけ。 だから、おにーさんが慰めてくれない?」 その慰めは身体に対して、つまりは性行為を意味してる事くらい… 子どもじゃないんだし、わかるでしょ。 男にとっては悪くない誘いのはず。 なのに返って来たのは予想外の言葉だった。 「だったら… 恋人としてつきあわない?」 「…は? 悪いけど、そーゆうのは求めてない」 「うん、でもさ… こんな事繰り返してたら、いつか危ない目に遭うよ? 今までがたまたまラッキーだっただけで、ヤバい奴はいっぱいいるからね」 「だとしても構わない。 別にどーなったっていいから」 この苦しみが誤魔化せるなら。 「てゆーか、説教なら間に合ってるから」 むしろもうウンザリ。
/370ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1175人が本棚に入れています
本棚に追加