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「貴方が食事された後の顔は実に人間らしいであります」
長女 揚羽の一言に蜘蛛の顔に淡い赤がさし、それに揚羽はため息をはいた。
普段は上辺で作り笑いをしているのに、館主と関わるとまるでそれがない。
元マフィアの絶対的忠誠の癖か、それともただただ沸き上がる嬉しさを押さえる手段を知らないだけなのか…
「男やもおに浮かれるなんて、ね」
元海の神さえ苦笑いするくらいだ。
しかし、でも…揚羽はそんな蜘蛛を見ながら言う。
「マフィアで禁じられていた分…今からそれらを知っていただきたいでありますな」
願うは…感情があまり分からない蜘蛛が感情を理解できる日常が訪れますように。
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