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---愛知県の小さな都市
その朝、いたるところで日常が始まろうとしていた---
ピピピ、ピピピ・・・
枕元で鳴り響く目覚まし時計のアラームに起こされる
「ッ、あーまたあの時のこと夢に見てたんだな・・・」
夢に見た、半年近く前の県大会予選、決勝戦での出来事をぼんやりと思い出しつつ枕に顔をうずめる
あの時のシュートが決まっていればもっと違ったんだろうか?
まぁ、決まっていてもそう大差はなかったのかもしれない
「まぁ、すんじまったことは仕方ないよな・・・」
自然とそんな言葉が漏れる
と、同時にちょっと後ろ向きになっている自分にも気が付いた
パンパンッ
おもむろに鏡の前にたち、両手で頬をたたく
まるで弱気になった自分に喝をいれるかのように
頬を叩いてから前を見てみると黒髪に頬が少し赤くなった顔が目に入る
「誠ぉー!!そろそろ朝ごはんよー!起きなさーい!」
「分かってるよー!今ちょうど起きたとこだから!」
階下から聞こえた朗らかな声に返事を返す
パジャマ代わりに着ているジャージのチャックが中途半端なところで止まっている
寝ている間に開いてしまったのだろうか?
ジャージのチャックをみぞおちのあたりまであげなおしつつ部屋を出て階段に向かう
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