第1章 はじまりと再会

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ねむいな・・・そんなことを考えながら部屋を出る 自室を出るのとほぼ同じタイミングで向かいの部屋のドアが開く 「ふわぁ・・・ねんむ・・・」 窓から刺した陽光を背に、目元をこすりつつ大きなあくびをしながら、こげ茶色の髪を腰のあたりまで伸ばした女性がでてくる 「ねーちゃんおはよ」 気が付いてなさそうなのでこっちから声をかけてやる 「んー??あぁ、まこちゃんおはよぉ~」 ひらひらと右手をふりながら呼びかけに答えてくる 「母さんが朝ごはんできたってさ、ほらいくぞ」 まだ眠そうにしている姉に再度声をかけつつ階段を下りていく あいあい、などと答えつつ後ろをねーちゃんがついてくる さっきまでは気が付かなかったが、小麦の焼けたいい匂いが立ち込めている 今朝はトーストかな? バターにジャム、マーマレード 何を塗って食べようかなどと思案しつつリビング兼キッチンへ 食卓の中央には大きめの皿にちょっとしたサラダとベーコンエッグがある その周りを囲むように、1枚の空いた皿と3枚の皿に乗った小麦色にこんがりと焼けたトーストがある
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