第1章 はじまりと再会

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父さんはもう仕事に行ったのか・・・今日はずいぶん早いんだな ちらりと時計を見てみるとまだ7時を少し過ぎたくらいだ いつもより30分近くはやい そんなことを考えつつ、自分の席に座る 向かいには母さん、右隣にはねーちゃんが座って3人で朝食を食べていく 結局今日はマーマレードを塗ることにした 「ねぇ、まこちゃん」とねーちゃんが声をかけてくる 「なに?」スプーンでマーマレードをすくいつつ答える 「今日って入学式でしょ?こんな時間に起きなくてもいいんじゃない?新入生なんだしあと30分くらい遅くても・・・」 確かにそうだ、ねーちゃんの言うことも一理ある けど 「それはいっつもぐうたらしてたねーちゃんだからだろ?入学式の朝だろうとトレーニングはさぼらないさ」 そう、部活を引退してからと同じ時間に起きて朝食をとっているのは日課をしっかりとこなすためだ 「ほら、美椰も見習って朝に何かやったら??」とすかさず母さんからの攻撃が入る 「あ、あたしはいいの!ほら!仕事中眠くならないように多めに寝てるの!」 多少つまりつつも、あらぬ方向を見ながらごまかしている まぁどんだけ言っても怠惰なのは昔から変わらない寝耳に水だろう 「ごちそうさま」 自分の分を食べ終わるとジャージ姿のまま玄関へと向かう 「今日もお風呂沸かしておくよね?」 母さんからの確認に「おねがい」と小さく返しながら、ボールを抱えて外へ出る
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