第1章

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「っちょっ、お前、勝手に手繋ぐなよ…」 「じゃあ、許可取れば良いの?」 「はぁ?」 「ねえってば。」 「ぁんだよ?」 「好きだよ?」 「馬ー鹿…」 「可愛い…」 「るせえ…」 「ねえ、俺の目、見て。」 「何で?」 「見て欲しいから。」 「目付き悪いよ、私。」 「俺の目、見て笑って?」 「注文が多いね… 何か面白い事しろよ。」 「え?」 「何もおもんないのに笑えるわけあらへんやろ。」 「急に関西弁!?」 「あれ、知らんかった? 私関西出身やから。 大阪や、大阪。 親の都合で転勤してきてん。 まあ、大阪はエエトコでっせ。 何が上手いってたこ焼きが上手い。 何や?聞いとんのか、人の話。」 「ん~聞いてるけど、あんま耳に入ってこない。」 「何やて!?」 「だって笑顔で関西弁とかズルいよ~」 「は?」 「瑛利華の初めて見る姿を二つ同時に見れるなんて… ご飯何杯でもいけるわ~」 「単に腹減っとるだけやろ? さっきっからあんたの腹グーグーグーグー喧しいわ。」 「え!?ウソ!?」 「ウソやけど、何か?」 「クッソ~騙しやがって… 彼女の前でデート中に腹グーグー鳴らしてるとか、超ハズイじゃんってめっちゃ焦ったわ… 穴があったら入りたいって…」 「入れ、入れ。 そのまま出てこなくて構わへんから。 それに、いつから私があんたの彼女になってん? 可笑しいやろ?」 「じゃあ、なって?」 「ありえへんわ、ホンマ…」
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