第1章

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「なんや、これ… 綺麗やんな…」 「あ…外して捨てるなり壊すなり好きにして良いよ?」 「何でやの、勿体ない…」 「だって、元カノから貰った奴だよ? 不愉快でしょ?」 「全く。エエ思い出やん。 私だって前の奴との写真とかプリクラとか、全部まだ携帯に入ってんで?」 「そっか…」 「イヤか?」 「ううん、全然… 怖くてさ…」 「何がや?」 「こんなに誰かを失いたくないと思ったの初めてで… でも初めてだからこそ、どうすれば嫌われないのかが分からなくて…」 「束縛は嫌いやで?」 「うん…」 「それにそのネックレスだってだいぶ高そうやないの? わざわざ捨てんでも…」 「俺は、お前と引き換えられる物なんて何も持っていない。」 「え…」 「お前が俺の物になってくれるなら、何を失う事も怖くない。」 「………」
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