プロローグ

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「やぁ~って来ました、水族館~」 徳丸ゆいが、大御所演歌歌手の名曲に乗って、つい替え歌を口ずさんでしまったのは、柄にもなく浮かれているからだ。 派手でもない大規模でもない、カップルよりも家族連れで賑わう、地元の小さな水族館に、普通じゃないイケメン。 別にイケメンと付き合いたいとか、どうにかなりたいなんて、これっぽっちも思わないけれど、 それでも、鑑賞にたえる綺麗な顔を、身近で、心ゆくまで眺められる機会なんて、そう滅多にあることではないのだ。
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