4 クリオネの捕食

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ゆいを残して、再びゲートの近くまで戻って行く春一。 その背中からは必死さが伝わってきて、あんな様子を、冬依はもしかしたらどこかで見ているんじゃないかしらんと、試しにイルカショーのスタジアム型ステージを振り仰いでみた。 すると、やっぱり――。 ショースタジアムの一番高い場所。 入口ゲートも見下ろせるその位置に、人影がふたつある。 ゆいの位置からは、頭の先っちょしか見えないが、あれは絶対冬依と鈴音だ。 スタジアムのてっぺんから、こちら側を覗き込んでいる。 高い場所から、慌てる春一の姿を優雅に観覧、といったところか。 本当に、いい性格をしている。 試しにゆいが大きく手を振ってみたら、ちゃんと振り返してきた。
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