4 クリオネの捕食

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春一に冬依たちを見つけたことを教えてやろうと、 「春一さ――」 声をかけようとしたら、いきなり後ろから口を塞がれた。 乱暴に羽交い絞めにされる。 驚いて無理やり顎をあげると、それは、今日水族館の外で出会った、あの冴えない男だった。 見知らぬ男に、いきなり後ろから抱きつかれている。 「ちょっ――」 塞がれているのをものともせず、無理やり怒鳴り付けようとした声が自然に止まる。 ゆいの目の前にギラリと光る何かがあった。 刃渡り20センチはありそうな、大きな草刈り鎌。 「キャーッ!」 悲鳴をあげたのはゆいではない。 ちょうどその場に居合わせた誰か。 でもその声に触発されたように、 「騒ぐな、静かにしろ!」 男が怒鳴り声をあげる。
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