1 ペンギンの羽

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1 ペンギンの羽

ことの始まりは、新春お年玉ガラガラ抽選会だった。 商店街でよくやっている、あれ。 ゆいの住む街の商店街でも、毎年開催されていた。 そして一月最初のこの3連休が、最後の抽選のチャンスだ。 ゆいの手の中にも、二回分の福引券がある。 買い物ついでに、今年一発目の運試し、と足を向けたのだが、 「鈴ちゃん、ボクがんばるからね」 「うん、絶対に当ててね」 ゆいの前に並んでいた姉妹に、つい目がいった。 姉の方は普通だが、妹の方がずいぶんな美少女。 小学生? 中学生ぐらいだろうか。 華奢な体躯に真っ白な肌、バラ色の頬。 そんな綺麗な少女が、 「絶対に水族館を当てるんだ。絶対に行くんだから」 ものすごく真剣な顔をして、ガラガラ抽選に挑む姿なんて、見ていてとても微笑ましい。
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