第1章 プロローグ

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月曜日という憂鬱な気持ちとは対照的に窓から教室に射し込む陽は心地好い。 普段だったら朝のホームルームなんて確実におやすみタイムだけど、今日はアイツのことで頭がいっぱいで、別の意味で憂鬱で眠れたもんじゃない。 「今日から2年D組のみんなに仲間が増えるぞ。ドイツからの留学生、ブラウ・シュミットくんだ。中に入って来い」 『ガラガラ……』 担任の鷹山から促され教室にブラウが入って来る。 女子生徒A「めっちゃイケメン」 男子生徒A「チッ……」 女子生徒B「ヤバっマジ王子…じゅるり」 男子生徒B「チッ……」 教室内はブラウの突然の登場に騒ついている。 「はぁ……」 あおいは深いため息を吐く。 ー良い意味でも悪い意味でも目立ってんなぁー 「ド……ドウモハジメマシテ。ドイツカラキマシテ…ブラウ…イイマス。ミナセンヨロシク…ネガイマス」 あのバカ緊張してカタコトになってる。 男子生徒C「おお!ドイツ人っぽい」 女子生徒C「かわいい」 男子生徒D「外人ってホントにこんなしゃべり方すんだな」 女子生徒B「A組の天王寺くんと絡ませたい」 頭の悪い発言がチラホラ聞こえる。 ーまっ、いっかー
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