学園刑事物語 電光石火 幕間

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 あれは、担任の村多ではないであろうか。そこで改めて、この施設を見ると、結構大きな施設であった。看板を読むと、ここは個人の家ではなかった。ここでは、自給自足を目指し、自然の中であるがままに生きるという、宗教的な施設であった。  看板に顔写真もあって、先ほどの大きな男がここの教祖のような存在で、鮫島(さめじま)とあった。  奥には畑もあり、本当に自給自足を目指しているようにも見える。しかし、この施設、裏の面があった。教義の一つ、あるがままに生きるで、乱交を奨励しているようだ。  車がやって来ては、信者を選び個室へと誘っていた。お布施を払えば、誰でもこの施設に入れるらしい。 「すげえ宗教」  村多も信者であるのか。信者は、男女ともにいる。教祖と誰もが寝ているが、男女の比率は半々といったところであった。  嫁さん探しの田舎の方もいるようで、四駆の軽トラックなども駐車場にあった。  需要と供給で、モメていないならばいい。  俺は施設を後にすると、近くのコンビニに向かった。俺がコンビニでパンを買っていると、これから施設に向かう人らしい男が、どこかに電話をしていた。  その内容からすると、信者は金を払わなくても施設に入れるが、寝る相手は選べない。金を払って施設に来た者に、自分を選んで貰うしかない。  エセ信者は金を払って施設に入るが、中で相手を選び部屋に連れ込めるとあった。選択する権利は入場料に含まれているが、部屋の代金は別途支払いになっている。  男は部屋の空き状況を確認すると、施設のメンバーを確認していた。行って相手がいないのも、部屋がないのも嫌らしい。 「あ、村多さんがいるのか。キープしていて、すぐに向かう」  村多は案外人気があるらしい。しかも、相手は男であるのか。  相手の顔をまじまじと見ると、ガタイのいいなかなかいい男ではあった。でも、肉体労働者という感じはある。  俺はパンを買って、来た道とは異なる道を帰る事にした。  翌日、バスケの練習に行き、井上に漢方薬局の商品を渡した。すると、井上は真っ赤になっていた。 「佳親さんだな、これ……」 「はい、世話になったのでお礼です」  真っ赤になった井上は、俺が用途を知らなかったのをいいことに、そのまま沈黙していた。  バスケの練習をしていると、井上にはひっきりなしに電話がかかってきていた。 「薫ちゃん、恋人ですか?」
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