690人が本棚に入れています
本棚に追加
ピピピッ ピピピッ
目覚まし時計の音を聞いて空条 多久也は目を覚ました。
時刻はまだ5時30分
体はまだ眠気を訴えていたがそうもいかない…
今日から高校生としての1日が始まるからだ
ベッドから降りて一階のリビングに向かう
リビングに降りると母の姿はもうない…
「今日も仕事か…」と一人呟きつつテーブルの上にある朝食を食べる。
食べ終わると学校に行く為に自分の部屋で準備をする。
今日は入学式だけだからほとんど中身のないバックは軽い。
机の上に置いてある高校の紺色のカバンを持とうとした時、机の下に何かがあるのに気付いた。
それは写真だった
写真は中学校の頃の写真で真ん中よりやや左に優勝カップを持った自分が写っていた。
「たしかこれは県大会優勝のときか…」
あの頃はまだ何も考えずに、ひたすらバレーに打ち込んでいた…
キツかったけど楽しかった練習…
初めて見つけた自分の居場所…
あれから自分は変わった…
気がつくと手が湿っていた…
本能的に体が嫌なことを思い出したらしい…
「いい加減、過去を断ち切らなきゃな。」一人呟き写真に火をつける…
写真はメラメラと灰皿の上で燃えた…
最初のコメントを投稿しよう!