陽の当たらない場所

～first of all～

家をでた多久也は駅へと向かう。

駅は多久也の家から徒歩５分ぐらいの所にある。

この駅から電車に乗り、それからさらに歩くと多久也が通うようになった『聖メルク学院』がある。

『聖メルク学院』は名前だけ聞くと創立してまだ新しいように思われるが、実は今年で創立８０周年にもなる伝統校だ。

かつて第二次世界大戦のあと、ＧＨＱによって教育改革が行われたさい現在のような名前になった。

（…ここが俺の新しい居場所か…。俺は必ずここで…。）

キーン・コーン・カーン・コーン

予鈴がなったので多久也は慌てて教室へと向かった。