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ー同日ー
久坂 等は焦っていた。
(やばい…急がないと遅刻だ…)
ハァ、ハァと自分が荒い呼吸をしているのがわかる…
しかし走りを緩めるわけにはいかない…
今ここで休んだら確実に遅刻ということは酸欠の頭にも十分理解できていた…
入学早々それは避けたかった。
(…全く…なんで目覚ましがいつもより遅い時間にセットされてんだよ…。)
走りながら時計に目をやると《8:28》を指していた。
聖メルク学院の朝の点呼は8時40分からである。
ちなみに予鈴は5分前に鳴る。
(あと12分か…)
距離はあと500Mほどで、『聖メルク学院』の校門が徐々に大きく見えてきた。
(よし!間に合う…。)
「ハッ・ハア・ゼハッ」
(あと少し…)
「ハッ・ハッ…」
等が昇降口についた時はすでに時刻は《8:37》を指していた。
急いで靴を履き替え3階にある1年の教室に向かう。
階段を2段ずつ登って3階にたどり着く。
(ここを確か右だよな…?)
と考えながら小走りで右に曲がろうとした等は何かにぶつかった…
「…ってえ。」
「痛っ…。」
どうやらぶつかった相手は女子のようだ
上履きが等と同じ色なので1年だとわかった。
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