第二章

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「ヤリ逃げですか?」 後ろから囁かれ、ビックリし過ぎた私は腰を抜かした。 それは初めての経験。 「ちょ、ちょっと!!大丈夫ですか?」 私の腕を取る今田くん。 「……本当にヤメて。驚かさないでよ」 未だ足腰に力が入らない。 座りこんだまま今田くんを見上げた。 「っ、あはははっ。いやーすいません!!そんなに驚くと思わなかったんで」 「もう!!」 「そんな姿の町田さんも可愛いですよ?」 ボっと頬に火がついた。 低音ヴォイスが、アノ夜を思い出させる。 「か、からかわないでよ」 「からかってません。ボクはいつも本気です」 今田くんが私を引っ張りあげる。 抱えられるように立たされたんだけど、彼が触れた場所が熱い。 彼がいると彼のペースに流される。 それは、今までに無い経験。 流されるのが、なんだか心地よく感じた。
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