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「ヤリ逃げですか?」
後ろから囁かれ、ビックリし過ぎた私は腰を抜かした。
それは初めての経験。
「ちょ、ちょっと!!大丈夫ですか?」
私の腕を取る今田くん。
「……本当にヤメて。驚かさないでよ」
未だ足腰に力が入らない。
座りこんだまま今田くんを見上げた。
「っ、あはははっ。いやーすいません!!そんなに驚くと思わなかったんで」
「もう!!」
「そんな姿の町田さんも可愛いですよ?」
ボっと頬に火がついた。
低音ヴォイスが、アノ夜を思い出させる。
「か、からかわないでよ」
「からかってません。ボクはいつも本気です」
今田くんが私を引っ張りあげる。
抱えられるように立たされたんだけど、彼が触れた場所が熱い。
彼がいると彼のペースに流される。
それは、今までに無い経験。
流されるのが、なんだか心地よく感じた。
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