第1章

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今田くんが私の頬を指で撫でた。 その感触には覚えがある。 「赤くなるなんて、想定外です。案外可愛いらしいヒトだったんですね」 「な、何をいってんの?」 「ほら、更に赤くなったよ。耳が真っ赤」 そう言いながら私の耳に触れる。 ひんやりとした指。 私の顔に熱が集まる。 ちょっと恥ずかしいんですけど!! 「あの……」 「はい?」 「ココどこ?」 会話を私の事から逸らそう。 そう思い、見覚えのない今いる場所へと問題を変えた。 ホテルではない、どこか。 きっと今田くんの部屋。 「あははっ。町田さんって面白いヒトですね。どこか分かってるクセに」 「今田くんの部屋?」 「ええ。町田さんがボクの部屋が良いって言ったんですよ」 「えっ?」 「自分の部屋にはゴムがないから。って」
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