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そう、確かに色分けをちゃんとしているはずなのに…。
私を洗面所に置き去りにした翌朝、彩子はいつも通りに洗面所にやって来た。
そして歯磨きをするために歯ブラシを手に取った。
が、しかし、彩子が手に取ったのはお父さんの薄い黄色の歯ブラシ。
(アアアアッ!)
私は思わず悲鳴をあげた。
(彩子、違う、それはお父さんの歯ブラシよ!)
私がいくら必死に叫んでも彩子には私の声は当然届かない。
ああ、せめて動くことができればなんとかなるかもしれないのに…。
そんな私の焦りにも気付かない彩子は鼻歌なんか歌いながら歯磨き粉を歯ブラシにつけている。
そしてとうとう…お父さんの歯ブラシで歯磨きを始めてしまった。
彩子も歯ブラシを新しくしたばかりだから歯磨きを始めても何も気付いていない。
せめて歯磨きの時くらい私をちゃんとかけていてくれればこんな間違いはしなかったのに。
私は自分の無力さに打ちひしがれる。
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