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透和は授業で先生が言っていた事を思い出していた。この神社は普通の神社でないのは明らかだ。
「どうやったのか知らんが、結界が壊れたらどうするんだい?」
「す、すみません……でも……?」
周りを探すが、おばあちゃんどころか人すら居ない。ここには猫しか……。
猫を見てギョッとする。こんなに猫と目が合うものだろうか? 振る舞いも堂々としていて、まるで人間の様だ。
「なんだい、ハッキリお言いよ。」
「ね、猫が喋った……。」
猫はその言葉にムッとした様に見えた。しかし、すぐに表情が変わった。
「あんた、本当に人間かい? 中身はとても男の子には見えないね。」
毛を逆立てて威嚇されるが、こちらは戦う気などさらさら無い。
「ご、ごめんなさい。ただ通りたかっただけなんです。それに、〈俺〉は対の魂を探して時の流れをさ迷っているだけなんです。今はこの少年に転生しています。」
この星で霊力の高い聖霊には何度か会ってきたが、この猫はその中でも何かを護っている上位の聖霊なのだろう。彼女なら〈俺〉が自分より強いと判るハズだ。
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