第二章 三毛猫は知っている

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「この世界には、結界が8つあると言ったね? この結界は元々は爆発する所だった地球を押さえる為のものだった。」 俺は大きく頷いてみせた。 「だけど、時が経つと地球も安定し、結界の意味は変わっていった。今は魑魅魍魎を押さえる役割がある。」 「妖怪に会わなくなったのは結界があるから?」 「そう。しかし……」 タマさんは、悲しそうに神社を見上げた。 「この神社はもう駄目さね。神社を護る神主たちは、代替わりをする度にこの神社を忘れていった。」 「神主たち? もしかして、周りの6つの神社の?」 「そう、全員この神社を見る霊力すらない凡人ばかり。この神社の結界を護る儀式さえしなくなった。」 うつむくタマさん。重い空気が流れる。 「じゃあ、俺はどうすればいい? その儀式をすればいいのかな?」
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