1人が本棚に入れています
本棚に追加
タマさんがニヤ~っと笑った。
「俺が神社になるって……タマさんが俺に取り憑く? 地球を護る結界のエネルギーの源になる?」
「そうさね! 名誉な事だよ? 有り難く思いな!」
滅茶苦茶だ!
「確かに、俺はエネルギーの塊だけど……!」
「みみっちい事言ってないで、さっさと行きな。この神社は私が移った瞬間に役割を終えたんだ。早く逃げないとあの世行きだよ?」
結界が音をたてて割れた。まるでガラスの様な破片は光になって消えていった。神社が消えていく。
「走りな!」
俺は夢中で走った。神社の外に出るとコンクリートが固かった。
暗闇に消えていく神社を見て物悲しく感じた。
「消えてく……」
「よろしくね。アンタなんだろう?アダムってお馬鹿さんは。」
「いいや。俺はアダムじゃない。アダムは最初から人間だった。俺は違う。」
「そうなのかい? まあ、なんでもいいさね。これから長い付き合いになるんだ。せいぜい、自分のやった事の落し前をつけるんだね。」
これから、このやかましいばあさんと暮らすと思うと、先が思いやられる。
「受け入れたくない……」
「受け入れたくなくても、もう取り憑いちまったから、足掻いても無駄さね! にゃーっはっはっ!」
誰かたすけて。
最初のコメントを投稿しよう!