第一章 運命が無いのなら

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永い時を過ごしてきた記憶に反した少年の体。幼い同級生。でも、今までで一番平和な時代なのだろうと感じた。 「行ってきます。」 今日もパンをひと口、牛乳を一杯飲むともう限界だ。 「アンタ、ちゃんと食べたの? そんなんだと大きくなれないわよ!」 「もう気持ぢ悪い。」 母親の言葉を聞き流して家を出た。 いつもの風景。平和な青空。高校に行けば、輝かしい青春が待っている。何度繰り返しても十代とはいいものだ。 それに、そこには……君がいる。 「おはよ~」 「おう! 透和! 今日もシケた面してんな!」 少年が突然肩を強く叩いてきた。 「あ゙~。武志……おはぐふっ」 「なんだ、大丈夫かぁ? おう彰弥! 透和の奴、また具合悪いってよ。」 「おはよう。 また武志が突進したんじゃないんですか?」 「 (当たり……)ハハ、おはよう。」 友達の武志(たけし)と彰弥(しょうや)だ。 武志はいつも元気すぎるくらい元気だ。野球部に入っている。彰弥は対照的に大人しくて頭がいい。弓道部所属だ。
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