1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
永い時を過ごしてきた記憶に反した少年の体。幼い同級生。でも、今までで一番平和な時代なのだろうと感じた。
「行ってきます。」
今日もパンをひと口、牛乳を一杯飲むともう限界だ。
「アンタ、ちゃんと食べたの? そんなんだと大きくなれないわよ!」
「もう気持ぢ悪い。」
母親の言葉を聞き流して家を出た。
いつもの風景。平和な青空。高校に行けば、輝かしい青春が待っている。何度繰り返しても十代とはいいものだ。
それに、そこには……君がいる。
「おはよ~」
「おう! 透和! 今日もシケた面してんな!」
少年が突然肩を強く叩いてきた。
「あ゙~。武志……おはぐふっ」
「なんだ、大丈夫かぁ? おう彰弥! 透和の奴、また具合悪いってよ。」
「おはよう。 また武志が突進したんじゃないんですか?」
「 (当たり……)ハハ、おはよう。」
友達の武志(たけし)と彰弥(しょうや)だ。
武志はいつも元気すぎるくらい元気だ。野球部に入っている。彰弥は対照的に大人しくて頭がいい。弓道部所属だ。
最初のコメントを投稿しよう!