第一章 運命が無いのなら

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「なぁに言ってんだよ! なあ、透和?」 そう言いながら背中をバシバシ叩く武志。 「うっ……朝から元気だね……」 「おう! あったり前よ!」 すると、風に乗って爽やかな匂いが漂ってきた。振り向くとー 「おはよう。」 昔から変わらない笑顔で君は現れる。 襲ってくる幸せと絶望。 「よっ!」 「おはようございます。」 「おはよう、あいちゃん。」 君は、今日も〈俺〉に気が付かない。 「いやぁ、今日も可愛いなぁ。お前、遠藤愛乃と幼馴染みなんだろ? 羨ましいぜ。」 「あ……幼馴染みって言っても、昔の話なんだ。」 「そうなんですか? 今も交流があるのかと思ってました。」 何故忘れてしまったのか、誰か教えてくれ。俺は置いていかれたのか? もう必要ないと思われたのか? 永遠の時間が辛くなったのか? 君が目の前に居るのに、触れられないなんて。
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