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「なぁに言ってんだよ! なあ、透和?」
そう言いながら背中をバシバシ叩く武志。
「うっ……朝から元気だね……」
「おう! あったり前よ!」
すると、風に乗って爽やかな匂いが漂ってきた。振り向くとー
「おはよう。」
昔から変わらない笑顔で君は現れる。
襲ってくる幸せと絶望。
「よっ!」
「おはようございます。」
「おはよう、あいちゃん。」
君は、今日も〈俺〉に気が付かない。
「いやぁ、今日も可愛いなぁ。お前、遠藤愛乃と幼馴染みなんだろ? 羨ましいぜ。」
「あ……幼馴染みって言っても、昔の話なんだ。」
「そうなんですか? 今も交流があるのかと思ってました。」
何故忘れてしまったのか、誰か教えてくれ。俺は置いていかれたのか? もう必要ないと思われたのか? 永遠の時間が辛くなったのか? 君が目の前に居るのに、触れられないなんて。
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