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あの眼鏡は、いったい何だったのだろう。
そして、福ちゃん、って人も。
日がな一日、僕はこの檻の中で考えている。
ジャイアントパンダになったあの日、僕は警察に保護された。
その後、密輸されたパンダとか言われて、この動物園のお世話になっている。
でも、まあここは快適ではある。広々とした飼育施設、美味いエサ、健康管理もバッチリで、エアコンまで効いている。
その上、皆パンダが大好き。僕を目当てに遠くからやってくる程。可愛い、愛くるしい、プリティー。ふて寝しようが、尻掻こうが、キャーキャー言われる。
僕は、国民的アイドル、誰よりもモテる男になったのだ。
それが、僕の願いだったから。
でも、今となっては、なんだか、こんな大それた愛よりも、生涯を共に生きる、たった1つの愛が欲しかったかな、とも思ったりもする。
今更だが。
結婚したいな。
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