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「はい、はい、つまり、もっと、モテたい、のですよね」
ひょうたんオヤジのニタリ顔から真っ白い歯が見えると、僕は少したじろいでしまった。
「はい、はい、はい。貴方を卑下にしている訳ではございません。寧ろそのファッションセンスと個性を高く評価します。
私は、類い希なる条件を揃えた貴方に、ピッタリの商品をご提供したいだけでございます」
「商品…」
「はい」
ひょうたんオヤジは持っていた、アタッシュケースの蓋を少し開け、中に手を突っ込むとゴソゴソ探り始めた。
「はい、コレです」
取り出したそれは、眼鏡ケース。蓋を開けると、その中には真っ黒い眼鏡、サングラスが入っていた。
大きなティアドロップ型のレンズが印象的だった。映画でジェット戦闘機のパイロットがこんなのしていた事を思い出した。
「どうです、カッコイイでしょう」
「ふーん、なかなか」
僕は関心を受けた。こんな形の眼鏡、今の時代あまり見かけないから。
「3万円になります」
ハッ!こいつ、押し売りか。
危うく、こんな得体の知れないキャッチ販売に騙されるところだった。
まあ、確かに、このサングラスは、少しばかりカッコイイ、と思える代物だけど。
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