モテモテ眼鏡

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「この眼鏡、かけますとモテモテになるんですよ」 モテモテ!? サングラスをかけている僕の姿を想像してみた。 うん、お気に入りのMA-1ジャンパーにピッタリ合うな。 「モテたいんでしょう、貴方」 モテたい!? こんなサングラスして六本木とか歩いていたら芸能人に間違われちゃうな。ヒソヒソとあの人カッコイイとか言われそう。ヘヘヘ 「な、なんか、太陽が眩しくてさ、ちょうど良いから、その眼鏡買うよ」 「まいどありがとうございます」 「しかし、3万円は高過ぎない、少しまけてよ」 「この眼鏡、希少な動物から作られておりまして、一点物なのですよ。消費税はおまけしますから」 3万円と引き換えに、僕はそのサングラスの入った眼鏡ケースを受け取った。 「その眼鏡、長時間かけ続けないで下さいね、かけ続けると大変な事になります」 度でも入っているのかと思ったが、ふと、眼鏡ケースに書かれたブランド名に目がいった。 「福天商会…」 「どうぞ、ごひいきに。私の事は、福ちゃん、とお呼び下さい」 ニタり顔が、なお綻んだ。
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