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僕は、またモテモテ眼鏡をかけ直して、街を歩き出す。
例え、この眼鏡の力だとしても、良いんだ。
モテてやる。
もっと、もっと、いっぱい、誰よりもモテてやる。
夜の戸張が降りて、街は風貌を煌びやかに変えた。
僕は、道行く人々の、写メやら、ハグやら、抱っこやらの要求にも、嫌な顔一つせず応えた。
特筆すべきは、モテる対象が女性限定ではなく、男性にも好かれる事であった、老若男女問わず、誰にでもモテたのであったが、家に連れて帰りたいと、熱烈にお誘い下さったマダムだけは、丁重にお断りした。
もっと、もっと、僕は楽しみたいのだ。
若い男女グループが、一緒にご飯でもと誘ってくれたので、同行した。
そこは、飲み屋だったが、店をあげての大歓迎振りに、僕はとても気を良くした。
頼まれたサインを書いたら、たいそう喜ばれ、店に飾られた。
他の店の主人まで訪ねてきて、うちにも来いと誘われるままに、何軒も店をはしごした。
出逢う全ての人々にチヤホヤされて、僕は、大いに楽しんだ。
時間を忘れて。
そして、朝になった。
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