何色

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 俺のことを好いているのか先輩は俺を色眼鏡で見てくる。とんだ眼鏡違いだと忠告してやりたいところだが、友人曰く、お眼鏡にかなっているのだから余計なことはするな、とのこと。  だったら、と放置していたら、今度は色目を使われた。おかげで眼鏡が狂いそうになる。  色は思案の外とは言うけれど、先輩にとって俺はただの異色な存在というだけ。俺は意を決して、先輩に問うた。 「先輩、俺に気があるんですか?」 「え? ぜんぜん」  ハンカチで伊達眼鏡を拭きながら、先輩はまるで気のないふうに答えた。 「じゃあ、どうして色眼鏡で見たり、色目を使ったりしてきたんです?」 「うーん、そうだねえー、色がないから?」  あ、なるほど。無職ってことね。
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