【一人目】空と地面はくっつかない

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 ★もう一台のバイクでずっと待機していた男が口を開く。 渡   いいですよ。全て配置につかせました。 砂毛   後はおまかせします。 渡   ありがとうございました。君たちにもお願いがある! 狩尾   貴方は? 渡   申し遅れました。私は人的特殊異常環境洗浄部隊、通称特異部隊の渡大巨と申します。これから我々の作業を開始するので手伝っていただきたい。 常世田   特異部隊? 聞いたことない。 渡   お話は後で。これから私たちの部隊はこの街を洗浄します。そうしたらおそらく奴に銃弾は当たるはずです。 十五   当たりはしないよ。僕は目的を果たさせていただく。既にこの部分は空と地面がくっついた。見えるかい? この停止した空間が。 渡   時間がない。全隊員、発射用意! 発射!  ★渡は無線で部隊全体に命令を下した。方方に待機している部隊員は何かを空に向かっ て放つ。それが空で弾けた。そして十五は手元で何かを創るような動きをする。 十五   こんなこともできる。 過左原   うぐぁっ!  ★十五が手を振り下ろすと過左原が叫び声を上げた。脚から血を流して崩れ落ちる。 狩尾   どうした! 常世田   脚に何か刺さってるわ! 狩尾   なに? なにがだ! 見えないぞ! 十五   空間を接着して槍にしたんだよ。こんなこともできる。 狩尾   てめぇ。 渡   撃て!  ★三人は十五に向かって撃つ。十五の目の前で銃弾が落下する。  また数発撃つ。十五は銃弾を止める、しかし、一発命中した。 十五   え? 狩尾   当たった? 常世田   なんで? でも当たった! 渡   捉えろ!  ★渡の声で多方から網が飛んできた。十五を目掛けて飛んできたその網は、周りにいた狩尾、常世田、過左原を巻き込んで捕獲した。 常世田   えっ、ちょっとっ 過左原   なんでだっ 狩尾   おれたちを巻き込むなよ! 渡   すまないが君たちもここから去ってもらう。 狩尾   なんだと? どういうつもりだ。 渡   我々特異部隊は、あなた方警察とは関係のない部隊です。この場にいられると色々面倒なことになりますので。 過左原   あんたらは一体何なんだ! 渡   正直なところ、最初から全て我々に任せていただきたかった。 狩尾   邪魔者扱いしてくれるじゃねぇか。 渡   やつは「狂人」に指定されていた。
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