フランケンナイト

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   子供に逃げられたことなら数知れず。  妙に寄ってくる連中は、何か違うものを期待しているようだし。彼女はいつまで経ってもできない。  鬱々と戻る途中、眉間にしわの寄った大男が見えた。  身だしなみチェックに置いた姿見だが、確かに、こんな薄暗いところで会いたくない。かもしれない。  眼鏡は最近セルフレームに買い換えた。  表情は、まあ努力はしている。  しかしガタイはどうしようもない。  しわをほぐすように眉間を揉んでいると、来店チャイムが聞こえた。  もうすぐ忙しくなる時間帯だ。  笑顔を心がけて、表へ出る。  
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