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常連さんは、今日もいつもの時間にやってきた。
また、心ここにあらずといった感じで、雑誌を眺め、飲料の新商品を確かめ、パンを手にして生菓子売場で立ち止まる。
ハロウィン向けの商品を吟味しているのか、かなりの時間そこを見つめていた。
やっぱり何か悩み事でもあるんだろうか。
そばで売場整理をしている俺にも気づかず、すうっとレジへ行ってしまった。
そういえば、今朝は来なかったし、今もコーヒーを注文しなかった。
会計が終わり、そのまま見送っていると、レジのバイト君と目が合った。
「見すぎッス」
イヤン恥ずかしい、とか身をよじって、隣の子に変な目で見られている。仕事中だろ。
いろいろな感情を抑えて、出来るだけ真面目な顔を作る。
「谷君、唐揚げ補充しといて。大日方君はゴミ箱チェック」
指示を出すと、二人とも背筋が伸びた。
そんなに怖いか。
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