あとがき。

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この作品の主人公もその母も、私の母とは性格が違うし、両親の関係も違います。 どうやったら、そんな私の思いに共感していただけるのか。試行錯誤を重ねて重ねて、この物語が生まれました。 HoneyWorksの【ママ】をパクった、と言わんばかりに内容が酷似しているところもあるのですが、物語を通して伝えたいことは似て非なるものだったのです。 “母”の愛情は受け継がれていきます。母が子を想う心だけに留めず、子として母を思うものも描きたかった。そして、父(夫)の存在も、家族の話である以上描きたかった。父だって、愛情を持ってくれているはず。母だけにスポットを当てて終わることが、私にはできなかったし、母を支える父の存在だって大きいはず。(そうではない人がいることも承知の上で、“はず”に留めます) 人は、繋がっているから。 血という意味でなく、関わっている以上、関わりが深ければ深いほど、繋がりも重要になる。だから、これは“母”の話だけれど、“家族”の話です。 子に対するネグレクト(育児・監護放棄、育児怠慢)を受けていた人からしたら、鼻で笑いたくなるような物語かもしれません。けれど逆に、これから繋げていくことができるものです。それが、切っても切れない関係にある愛情なのだと思うんです。 愛情を与えられなかった子供は、どう成長していくのか。一番物事を吸収する時期に、愛情を知らずに過ごすことになるんです。愛情を知らない人は、猜疑心が強くなるそうです。人の心を読み取る力が付きにくいそうです。それは本人が原因ではなくても、火の粉はすべてその人に降りかかる。親の責任が、子に降りかかる。子は親を恨むでしょう。負の連鎖です。とはいえ、親を恨む前に自己の改善を人の手を借りてでもしていく努力はすべきだとは思いますが、これは余談ですね。 そんな思いがあったので、長々とあとがきを失礼致しました。 本来、小説家であるならば、小説ですべてを語るべきだという思いはあるものの、どうしても伝えたいことを書きました。 一度読んでいただいた方にも、もう一度目を通していただけていれば幸いです。
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