第4章 放課後

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「……するから」 「え?」 私は顔を上げた。 藤川君の顔が思いの外、近くにあった。 これだけ近いと、いくら視力が悪くても、顔立ちが良く分かる。 恥ずかしさで、ちょっと泣きそうだった。 「緊張するから……」 私はまた目を伏せた。 「緊張すると外すって、何か関係あるの?」 「外すとね……」 自分の声が震えているのが良く分かった。 「外すと、視界がぼけて、夢見心地な感じになって、そんなに緊張しなくなるの……」 「へぇ、そんなもんなのかね」 「私、緊張しいだから」 藤川君は大きく息を吸い、そして吐いた。 「……。俺にもメガネあったらいいのにな」 「え?」 「俺、今、めっちゃ緊張してるから」 私は何も言えなかったし、顔を上げることができなかった。 「これから大事なこと言わなきゃいけないから」 藤川君の声も微かに震えていた。
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