第2章 日直

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幸せな日の翌日に、不幸せな日は訪れる。 あまりにも憂鬱な日の始まりだった。 登校中、昨日お店から見えた桜並木を通った。 昨日の深夜から明け方にかけて、大雨が降り、頑張っていた桜も 全部散ってしまった。 ため息をつきながら、花びらが無数に張り付くタイル張りの道を歩いた。 花びらを、なるべく踏まないように歩こうと決めたが、それは、なかなか難しかった。   今日は進級して、最初の日直の日だった。 日直だから最低な日――。 大袈裟かもしれないが、そうなのだ。 授業前の号令をかけたり、黒板を掃除したり、日誌を書いたりと、 そこまでは別に憂鬱ではないのだが、日直には最大最悪の仕事がある。
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