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帰りのホームルームに行う1分間スピーチだ。
毎回、担任の先生に決められたテーマごとに話す。
私はこれが1年生の時から憂鬱で仕方なかった。
いつまで経ってもみんなの前に出て、話すことに慣れない。
教壇に立ち、みんなの前で話しているうちに
声どころか、体まで震えてくるし、
視界は歪み、自分で何をしゃべっているのかも分からなくなる。
それに今回は同じクラスに藤川君がいるのだ。
緊張しない方がおかしかった。
「私、緊張しいだから、もう最悪だよぉ」
登校中一緒になった、明美に愚痴を言ってみた。
「そんなに大げさに考えなくてもさぁ」
「考えるよぉ、なんか年々、緊張が増してきてる気がする」
「適当でいいんだって、1分なんてあっと言う間なんだから」
「それにね、昨日からメガネも変えちゃって……」
「あ、やっぱり。いいよね、そのメガネ。よく似合う」
明美に褒められてと嬉しい。明美はおしゃれだから。
それに藤川君のセンスも同時に褒められているみたいで、さらに嬉しい。
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