第2章 日直

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帰りのホームルームに行う1分間スピーチだ。 毎回、担任の先生に決められたテーマごとに話す。 私はこれが1年生の時から憂鬱で仕方なかった。 いつまで経ってもみんなの前に出て、話すことに慣れない。 教壇に立ち、みんなの前で話しているうちに 声どころか、体まで震えてくるし、 視界は歪み、自分で何をしゃべっているのかも分からなくなる。 それに今回は同じクラスに藤川君がいるのだ。 緊張しない方がおかしかった。 「私、緊張しいだから、もう最悪だよぉ」 登校中一緒になった、明美に愚痴を言ってみた。 「そんなに大げさに考えなくてもさぁ」 「考えるよぉ、なんか年々、緊張が増してきてる気がする」  「適当でいいんだって、1分なんてあっと言う間なんだから」 「それにね、昨日からメガネも変えちゃって……」 「あ、やっぱり。いいよね、そのメガネ。よく似合う」 明美に褒められてと嬉しい。明美はおしゃれだから。 それに藤川君のセンスも同時に褒められているみたいで、さらに嬉しい。
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