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指定された河川敷に行くとすでに、圭太はもう二人招集をかけており、遅いぞと怒鳴られた。
「ごめん、寝てて気付くのに遅れたんだ。」
そう言いワケをしたが、気が進まなかっただけだ。
圭太は、細くて小柄な眼鏡をかけた男の首根っこを捕まえており、その哀れな犠牲者はうなだれていた。
「本当にお金なんて、持ってないんです。」
見た目俺たちと同じくらいの年齢の少年だ。
「じゃあ身体検査だな。」
そうニヤリと圭太が笑うと、その少年を河川敷の大通りから見えない橋の下まで連れて行くと、身包みを全部剥ぐように俺たちに命令した。仕方なく俺たちは、抵抗する少年の身包みを全て剥がしたが、少年の言うように、金目の物は何も持ってはいなかった。
「ちっ、シケたやつだな。」
そう言うと、裸の少年の腹に膝蹴りを入れると、少年は腹を押さえて蹲った瞬間に、眼鏡が地面に落ちた。
「ああっ!眼鏡!眼鏡!」
少年は、身包みをはがされた時以上に狼狽した。
それを見た圭太は、面白がって、その眼鏡を蹴飛ばして、眼鏡は川の中へと消えていった。
圭太はその様子を見てゲラゲラ笑い出したので、俺たちも仕方なく付き合うしかない。
「・・・うがあああああおおおおおおおおお!」
少年の様子がおかしくなった。
頭を押さえて苦しそうに唸っている。
圭太はその少年の様子に一瞬ビビったが、俺たちの前でビビってるところを悟られまいと、
「なんだ、テメエ。文句あんのか、ごるぁ!」
と叫びながら少年に掴みかかろうとした。
その瞬間、メキメキメキ、ゴキュゴキュゴキュ、という音を立てながら少年の肉が裂けていった。
「ひぃっ!」
その異様な様子に、圭太は尻餅をついて、俺たちは唖然とした。
少年の体は自らの肉を裂きながら、巨大化して行く。そこで、俺たちはやっとこの異常な事態に足を動かし、蜘蛛の子を散らすように逃げ始めたのだ。
腰が抜けてしまった圭太がまず、その化け物に捕まった。あの巨漢の圭太の体を片手で捕まえると、一ひねりで首をおかしな方向に曲げて、その化け物の口に頭がすっぽりと納まってしまった。ガリガリと音を立てて、圭太はあたりに血のシャワーを撒き散らしながら食べられてしまった。
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