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音声から遅れるようにやって来た映像が、朱色の空に立体映像となって現れる。
「ジェンド君。ごきげんよう。どうだ?地球は」
レガートはジェンドの様子を気遣っているよう。
「別に。何も」
ジェンドにとっては書く事が無くなった日記のように、素っ気ない返事をした。言う通りだし。
「ぇ~……そんなジェンド君に朗報があります。
この度、錯綜する情報の中から確かな筋の情報を入手する事がようやく出来ました事を報告する」
……と昨日も言っていた事が頭を過(よぎ)り、話半分に聞くしか無いジェンドだった。
「今度は本当に本当に本当に本当に(以下略)本当だろうな?」と訊く気力すら無いのだ。
枕が変わると眠れなくなるジェンドにとってはマルスを離れる事すら渋って、任務を拒否した。
しかし、どーしても行かざるを得なくなってしまい、なくなく地球にやって来たのだ。
睡眠も満足に取れないジェンドは、既に疲れの限界を遥かにオーバーしていた。
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