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野々宮野乃が休み時間、自席に凝然と座り、自らの机の天板を凝視して過ごす理由。
野々宮野乃に注目し始めた理由。
野々宮野乃に纏わる疑問が二つに増えたのを境に、庄司翔也はもどかしさを感じ始めた。可能な限り早期に謎を解き明かし、楽になりたいと切に願った。
前者は、幾ら思案しても答えを見出せなかったのだから、自力での解明は断念する他ない。後者は、野々宮野乃を打ち明ける気にさせさえすれば、直ぐにでも解答を得られる。
だが野々宮野乃は、どうしても必要な場合にしか他人と口を利かない。正面を切って問い質しても返答は期待できそうにない。
では、どのような手段に訴えれば、野々宮野乃を打ち明ける気にさせられるのか?
考えに考えた末、庄司翔也は一本の道を見出した。求めている地点に到達できる確証はないが、試しに通ってみるだけの価値がある道を。
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