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「…程人さん…お願いがあります」
「…お願い?」
ナターシャ…もといクレインは逡巡したようなそぶりを見せた後に意を決したかのように真剣な顔でそう告げる。
「…私を強くしてください」
俺が不思議そうに聞くとクレインは一瞬間を空けてよく分からない事を言った。
「…は?俺が?」
「はい」
…いやいや、なんで俺?鍛えて欲しいんならリザリーとかエルーに頼みゃあいいんじゃね?
「…えーと、それならリザリー達に頼めば?」
俺は疑問に思った事をそのままクレインに返す。
「兄さんや姉さんからは今鍛えてもらっています」
「…え、じゃあ俺いらなくない?」
クレインの意味不な返しに流石の俺も意図が読めない。
魔力の皆無だった俺に魔術師的な感じで鍛えてくれと言われてもなぁ…
しかも魔術的な面はリザリー、体術的な面はエルーで揃ってんだから俺必要ねぇじゃん。
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