メガネ☆彼女

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 そんな時、藤原が俺の肩をトントンと叩いてきた。 「なあなあ。菊川さんのメガネ取った素顔、見たくね?」  どきん! と俺の鼓動が跳ね上がる。  よりによって、社内一のイケメン藤原が彼女に興味を持った? 「は!? 何をいきなり……お前ツンツンには興味ないんじゃなかったのかよ?」 「でもさ、よくあるじゃん? メガネ取ったら実は可愛かったーとかさぁ」  俺はギクッとした。  ああそうだよ。そのよくあるパターンなんだ、実は。 「ホントに可愛かったら……お前、どうする気? 中身はお前の苦手な『ツンツン』なんだぞ?」  俺は「ツンツン」の所を強調して言った。 「そりゃ可愛けりゃなんでも良くね? 性格なんて二の次だろ」  その一言に、俺の中の何かが「ぶつん」と切れた。 「お前……! その言い方は相手に失礼……」 「藤原くん」  俺の言葉を遮ってきたのは、話題の中心人物である菊川さんだった。 「和久井くんも。ちょっと一緒に来てもらってもいいかしら」 「何なに? 俺らの話聞いてた? だったらもしかしてぇ?」  そんな藤原の言葉は無視して、菊川さんはさっと踵を返して部屋を出て行く。  俺達は慌てて後を付いて行った。
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