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気を取り直してスマホを取り出すと、震える手で操作した。その数字を計算してみたのだ。
(10日だ)
「ねぇ、10日後って、何かある?」
私が聞くと父が答えた。
「お婆ちゃんの3回忌の予定だろ」
「それがどうかしたの?…あなた、顔色悪いわよ」
母が心配そうに言った。
私は洗面所に行き鏡を見た。確かに真っ青だ。しかし右上には数字はなかった。
「大丈夫?」
母が傍に来た。鏡に映った母の顔には、はっきりと数字が見えた。
「大丈夫よ」
私は元気そうな声を出し、その場を繕った。
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